血便は何科へ行くべきか
血便が生じる原因の多くは、食道・胃・腸・お尻の病気であると言われています。そのため、血便が出た際には、消化器内科の専門医がいる病院やクリニックを受診することが推奨されます。
なぜ血便は
消化器内科へ行くべきなのか
消化器内科は、食道、胃、小腸、大腸、肝臓、膵臓、胆のうなど、消化系全体の診断と治療を専門としています。血便の原因は、食道、胃、小腸、大腸、おしりなどの消化器疾患が原因で生じている可能性が高いため、正しい原因を診断するためには消化器内科医の診察や検査が必要となります。
血便の原因
血便は消化器系の病気と密接な関連があり、様々な消化器疾患が血便の原因となることがあります。
食道からの出血と血便の関係
食道からの出血は、通常、食道静脈瘤の破裂や食道の潰瘍などによって発生します。このような出血が胃を経由して腸を通過する際、消化されることで血の色が黒く変化します。出血が十分に多い場合、黒い便やタール便となり血便が生じると言われています。
消化器疾患の例:逆流性食道炎など
逆流性食道炎
逆流性食道炎は、胃酸が胃から食道へ逆流することで起こる炎症です。この状態は、胃酸逆流症(GERD)の一部とされ、食道の下部にある筋肉の弁(下部食道括約筋)が適切に機能しないことが主な原因です。逆流性食道炎の典型的な症状には、胸焼け、喉の痛み、飲み込みにくさがあります。長期間放置すると、食道の損傷や狭窄、さらには食道がんのリスクも高まるため、適切な治療が必要です。
胃や十二指腸からの出血と
血便の関係
胃や十二指腸からの出血は、血便として現れることがあります。胃や十二指腸に潰瘍や炎症が生じることで、「タール便」または「メレナ」と呼ばれる便の形で排泄され血便が引き起こされます。そのため、胃や十二指腸からの出血は、通常、黒い血便の形で見られることが多いと言われています。
消化器疾患の例:胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃がん
胃潰瘍
胃潰瘍は胃の内壁に深い傷が生じる疾患で、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用が主な原因です。これらは胃の粘膜保護機能を低下させ、潰瘍を引き起こしやすくします。症状には胃痛、胸焼け、食欲不振があり、重症化すると穿孔や出血を起こすことがあります。治療は原因に応じて、ピロリ菌の除菌や胃酸の分泌を抑える薬が用いられます。定期的な胃カメラ検査による診断と管理が重要です。
腸(大腸や小腸)からの出血と
血便の関係
腸からの出血は、大腸や小腸などの消化管の下部で発生し、直接血便として現れることがあります。この場合、血液は消化過程を経ずに便と混ざり合うため、便に鮮やかな赤い血が見られることが一般的です。特に大腸がん、炎症性腸疾患(例えば潰瘍性大腸炎やクローン病)、または大腸ポリープが出血の原因となる場合があります。血便が生じた場合には迅速に消化器内科医の診察を受けることが重要です。
大腸がん
大腸がんは、日本で特に罹患率が高いがんの一つで、若年層の発症も増加しています。大腸がんの症状は初期には現れにくいですが、進行すると腹痛、血便、体重減少などが見られます。リスク因子には肥満、喫煙、アルコール消費、運動不足などがあります。予防としては、食生活の改善や定期的な大腸がん検診が推奨されています。大腸がんの診断には大腸カメラ検査や便潜血検査が必要になります。
おしりからの出血と血便の関係
お尻からの出血は、主に肛門近くでの出血を指し、これが血便の原因の一つとなります。痔が最も一般的な原因であり、特に外痔核や内痔核からの出血が見られます。この出血は排便時に直接便に混ざり、便に鮮やかな赤い血が見られることが一般的です。その他、肛裂や肛門周囲膿瘍などもお尻からの出血を引き起こすことがあります。
血便の検査方法・診断方法
血便が生じた場合には、胃カメラ検査または大腸カメラ検査を受けましょう。血便の主な原因が、消化器疾患となります。血便の原因を正確に診断するためには、胃カメラ検査または大腸カメラ検査を受ける必要があります。
胃カメラ検査
胃カメラ(胃内視鏡検査)は、胃や上部消化管の内部を直接観察する検査となります。患者様の口や鼻から内視鏡を挿入し、胃の内壁をチェックします。胃カメラ検査により、胃潰瘍、胃炎、胃がんなどの疾患を診断することが可能です。必要に応じて組織のサンプルを採取(生検)することもできます。
大腸カメラ検査
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)は、大腸の内部を直接観察する検査となります。内視鏡を肛門から挿入して大腸全体の状態をチェックします。大腸カメラ検査により、大腸ポリープ、大腸がん、炎症性腸疾患などの診断が可能であり、異常が見つかった場合はその場で大腸ポリープの切除や組織のサンプル採取を行うことができます。
血便の検査
〜内視鏡検査の特徴〜
- 内視鏡専門医による胃カメラ・大腸カメラ検査
- 鎮静剤を用いた眠ってできる胃カメラ・大腸カメラ検査
- 苦痛を抑えた経鼻・経口胃カメラ検査の選択が可能
- 大腸検査中の日帰り大腸ポリープ切除
- 内視鏡検査後のリカバリースペース完備
- 最上位機種オリンパス「EVIS X1」内視鏡システムを導入
- ハイビジョン大型モニターの設置
- 個室の院内下剤ブースの完備
- 予約状況に応じた当日の胃カメラ検査
- 早朝の大腸カメラ検査にも対応
- 土曜日・日曜日の内視鏡検査
- 大腸カメラ・胃カメラ検査の同日実施
- 感染対策のための消毒・洗浄の徹底
血便の診察・検査は当院へ
血便が生じた場合には、お近くの消化器内科を速やかに受診しましょう。血便の原因のほとんどは消化器疾患であると言われています。ご自身で血便の原因を判断することなく、大阪府大阪市北区梅田にある大阪梅田駅前 ゆう内視鏡内科クリニック HEP NAVIO 院までお気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
当クリニックでは、消化器疾患および内視鏡検査・治療を中心として、患者様一人ひとりの健康を第一に考えた丁寧で安全かつ高精度な診療を目指して参ります。内視鏡検査は胃がんや大腸がんの早期発見や治療に非常に有効な手段であり、当院では消化器がんによる死亡をゼロにすることをモットーに、がんの早期発見・治療に尽力して参ります。当院では最新の医療技術と設備を駆使して、安全かつ快適な環境の中で眠りながら苦痛なく楽に受けられる検査をご提供できるように努めて参ります。
院長 川井 祐弥
学歴
- 平成21年3月
大阪府私立大阪星光学院高等学校
卒業 - 平成27年3月
奈良県立医科大学医学部医学科
卒業
職歴
- 平成27年4月
大阪市立総合医療センター入職 - 平成29年4月
医学研究所北野病院入職 - 令和5年10月
大阪梅田駅前ゆう内視鏡内科クリニック HEP NAVIO院 開業
資格
- 日本内科学会 内科認定医
- 日本消化器内視鏡学会 内視鏡専門医
所属学会
- 日本内科学会
- 日本消化器病学会
- 日本消化器内視鏡学会